ママさんへ①♪安心安全な出産のため・産後の体型維持について(マタニティピラティス・産後ケア)
この記事では妊娠中や出産後の女性が体調や体型を維持するためには、なぜピラティスやヨガがおすすめできるのかを解説します。生まれてくる子どもだけでなく、自分自身の健康にも気を使いたい方はぜひご覧ください。
1. 妊娠/出産は女性にとって人生最大のイベント
妊娠/出産とは1人の女性が半年以上体の中に生命を宿し育てる活動です。さらに生まれてくる子どもはお母さんのおなかの中で、人生で最も速いスピードで成長するのです。したがって妊娠/出産とは女性にとってかけがえのない時間を過ごすことになります。
妊娠から出産にかけて骨盤に大きな負担がかかる
一方で妊娠/出産は女性の体に大きな負担をかけることになります。妊娠すると女性の体重は胎児や羊水などで徐々に増えていきます。そして出産直前には10㎏以上増加するのです。この増加した体重を支えるために、女性の骨盤には大きな負担がかかるのです。
妊娠/出産そして産後には自分の体にも不安がある
このように妊娠/出産で体に大きな負担をかけた女性の骨盤とその周囲の筋肉はダメージを受けています。そのため妊娠前は苦も無くできていたことでもすぐに疲れやすくなるのです。さらにその疲労が蓄積されると腰痛や肩こりが現れます。そして出産後もすぐに育児が始まり自分の体へのケアがおろそかになってしまいがちです。
ピラティスやヨガを続けると身体の負担を軽減できる
その中で、ピラティスやヨガは妊娠/出産そして産後の女性をケアする方法として有効性が示されています。ピラティスやヨガでは妊娠/出産そして産後の中で負担が大きくなる骨盤の筋肉(骨盤底筋)に対してストレッチを行います。また妊娠/出産によって使いにくくなった骨盤底筋をトレーニングすることができるのです。
2. 妊娠中の骨盤は大きく変化している
ではなぜ妊娠や出産することで骨盤や骨盤の筋肉に変化が起こってしまうのでしょうか。それは女性の体はおなかの赤ちゃんを安全な環境で育てられるように自動的に変わるようにできているからです。
妊娠すると骨盤を固定する靱帯が緩む(リラキシン)
女性が妊娠しておなかが大きくなるに向けて、リラキシンと呼ばれるホルモンが分泌されます。リラキシンは子宮や子宮頸を緩めて赤ちゃんの出産を助ける役割があるのです。さらにリラキシンは靱帯や筋肉も緩める作用があるため普段は靱帯でほとんど動かない左右の骨盤をつなぐ靱帯も緩んでいきます。
こうして妊娠した女性の骨盤は底の部分が広がり、出産する時に赤ちゃんが通る道を確保するのです。そして出産を終えると伸ばされた筋肉や靱帯は徐々に戻され、半年程度で骨盤は元の位置に戻ります。
妊娠/出産では腹筋だけでなく骨盤底筋が大きく伸ばされる
女性は出産に向けて胎児を囲む筋肉も大きく伸ばされていきます。妊娠によって伸ばされる筋肉として最も分かりやすいのは腹筋です。妊娠後期ではおなかが大きく膨らむのでイメージしやすいと思います。
ところが先ほど解説したとおり、女性の体は出産に向けて骨盤の底の部分が広がります。そして骨盤の底の部分を支える「骨盤底筋」と呼ばれる複数の筋肉も伸ばされていくのです。その中で骨盤底筋は妊娠中の胎児を支える役割を持ち、そして出産時では赤ちゃんが通るため大きく引き伸ばされます。したがって骨盤底筋は出産によって強いストレスを受けてしまうのです。
帝王切開ではおなかの筋肉に傷がつく
最近は安全性を考えてはじめから帝王切開で出産される方がいらっしゃいます。だからといって「帝王切開をすれば骨盤底筋へのストレスはない」とはなりません。帝王切開でも妊娠後期まで胎児がいれば骨盤底筋は胎児や内臓を支えています。また帝王切開では下腹を開くためおなかの筋肉にダメージが加わります。おなかの筋肉は骨盤底筋と合わせて働くことで体型維持に作用を発揮します。したがって帝王切開だからといって油断してはいけません。
妊娠中は骨盤が前傾しやすい
他にも妊娠による骨盤の変化として前傾するというものがあります。妊娠して胎児が大きくなるとその重みでおなかが前に出てきます。すると腰の骨(腰椎)が前に引っ張られて弓なり(前傾)が強くなります。そして骨盤も腰椎の動きにつられて前に倒れるように引っ張られるのです。
3. 骨盤周囲は小さくても重要な筋肉がある
では妊娠や出産によってストレスがかかるという骨盤底筋とはどのような筋肉なのでしょか。骨盤底筋は目立たず、動きもわかりにくい筋肉です。しかし体を良い姿勢に保つには必要不可欠な筋肉なのです。
骨盤底筋は骨盤周囲の機能維持に働く
骨盤底筋とは骨盤の下部にある空洞を包むようにある複数の筋肉を総称したものです。主な働きとして以下のものが挙げられます。
① 排尿や排便のコントロール
② 内臓の下垂を防ぐ
③ 腹圧のコントロール(腹筋/横隔膜と連動)
骨盤底筋は3層に重なってそれぞれの働きがある
骨盤底筋は3つの層に分かれてそれぞれの機能を有しています。
Ø 表層:坐骨海綿体筋・球海綿体筋・尿道括約筋・外肛門括約筋
Ø 中層:浅会陰横筋・深会陰横筋
Ø 深層:肛門挙筋・尾骨筋
これらのうち表層の骨盤底筋は排尿や排便のコントロールを主な作用としています。一方で中層/深層の骨盤底筋は内臓の保持や腹圧のコントロールを主な作用としているのです。
※ 妊娠中の骨盤底筋は緩んだ骨盤を支える役割がある
特に妊娠中の女性では骨盤底筋が大きな働きを持ちます。なぜなら妊娠によって骨盤を支える靱帯が緩むため骨盤底筋が靱帯の代わりになって胎児を支えることになるからです。
骨盤底筋は動きが分かりにくいため筋トレが難しい
腕や脚にある大きな筋肉の場合、意識して力を入れると筋肉が固くなることが分かります。ところが骨盤底筋は筋肉が小さく、かつ表層の骨盤底筋以外は体の表面に現れないため筋肉の働きを確かめにくいのです。
また腕や脚の筋肉であれば手足に抵抗を加えて関節を動かすことで筋肉を使うことができます。一方で骨盤底筋は大きく動かす関節がありません。したがって骨盤底筋では一般的な筋トレで筋力をつけることが難しいのです。
骨盤底筋は知らない間に筋力が低下する
このように骨盤底筋は動きが分かりにくく、筋トレ法が難しい筋肉です。そのため骨盤底筋を使わない生活習慣が続くと知らないうちに筋力が低下するのです。特に座っていることが多い方は骨盤底筋の筋力が低下している可能性があります。
骨盤が前傾していると筋肉が弱りやすい
他にも姿勢の悪い状態が続いている方も骨盤底筋が弱りやすくなります。なぜなら骨盤底筋は骨盤が適切な位置になっていないと機能を十分に発揮できないからです。例えば姿勢が悪く骨盤の位置もずれた状態が続くと骨盤底筋の筋力が低下していきます。
妊娠中は運動不足と骨盤前傾が重なる
そして妊娠中は骨盤底筋が筋力低下を起こす可能性があるので注意が必要です。なぜなら妊娠前期はつわりなどの体調不良で自宅にこもりがちになります。さらに妊娠後期では胎児の重さで身体が動きにくくなるからです。また妊娠中は骨盤が前傾するため骨盤底筋の機能が低下しやすくなることも見逃せません。
本日はここまでとなります。
次回は
骨盤底筋の筋力低下が引き起こす体の悩み(肩こり、腰痛、尿もれなど)を解説し、骨盤底筋宮の強化について記載できればと思います。
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