子供のコミュニケーションと運動について
コミュニケーション力は生きる上で欠かすことのできない力です。
殊に日本ではわずかな空気感の変化を察知したり、相手の気持ちを汲んだりすることが求められます。もっとも、このようにすべて受け身では本当に優れたコミュニケーション力を身につけたとはいえません。今求められるのは自分の意思を伝えつつ、相手の意思も尊重できる相互理解です。
このコミュニケーション力を幼少期から磨くためには、スポーツをさせてあげることがとても有効だと、私は考えます。
今回はそんなコミュニケーション力とスポーツ、運動の関連性についてお話できればと思います。
一方通行で終わるのは理想的なコミュニケーションではない
まず確認しておきたいのは、一方通行で終わるやり取りは本当の意味でのコミュニケーションではありません。自分の意思ばかりを相手に伝えてもいけませんし、相手の意思ばかりを慮るのもおすすめできません。後者は「相手のことを考えてあげられる優しい人」ともとれますが、その優しい人に徹するあまり自分の意思を犠牲にしてしまう人、無理をしてしまい心身に支障をきたす人がいることも事実です。
日本は結構後者の方が多いような気がします。
冒頭でも述べましたが、本当に大切にしたいコミュニケーションは自分の意思も相手の意思も大切にする相互理解ではないでしょうか。
これは大人の社会だけでなく子どもたちの社会にも通ずるものです。
大人であれば職場での人間関係に、子どもであれば学校や園などでの友人関係に置き換えることができるでしょう。プロジェクトの円滑な成功や目標の達成も、勉強や遊びにくわえてスポーツのなかで培われる友情や成長も、良質なコミュニケーションのもとに成り立ちます。
スポーツはコミュニケーションを強いられる環境
スポーツはコミュニケーションを良い意味で強いられる環境です。コミュニケーションなくしてスポーツを競技として成り立たせることもできませんし、試合中の素晴らしいプレーや好成績を収めることもできません。
サッカーを例にとって考えればわかりやすいでしょう。
ご存知の通りサッカーは、複数人でボールを足で運んでプレーします。試合中はドリブルでボールをゴールへ近付けるだけでなく、自分以外の誰かとパスをつなぐこと、そしてゴールに向かってシュートを打つ必要があります。
こうした一連のプレーのなかには、「自らにボールを要求する」、「ボールを要求する味方を認識する」、「自分でシュートを打つことを主張する」といったコミュニケーションが介在します。どれも周囲の状況を敏感に察知したり、必要に応じて自分の意思を主張したりすることになります。これらは刹那的ではありますが、コミュニケーション力向上に役立っているのです。
もちろん、そうした意思伝達やプレーそのものもすべてが上手くいくとは限りません。それが原因で衝突することもあるでしょう。ただ、そこでお互いに思い描いていた理想のプレーや作戦を意見交換することで、コミュニケーション力はさらに磨かれ、今後のプレーや試合にも良い結果をもたらすのではないでしょうか。
こうした経験はスポーツという枠を飛び越え、子どもたちの実生活でも活かされます。現在でも体育会系の就活生が重宝されるのも、こうしたコミュニケーション力、状況判断力や改善能力を期待されているからです。
子どもたちのコミュニケーション力を運動を通して磨きませんか?
スポーツを通して子どもたちのコミュニケーション力を磨くことは十分に可能です。
スポーツはコミュニケーションなくして成り立たず、そこで求められるコミュニケーションはスポーツや子ども社会だけでなく、人生を通じて必ず役立ちます。
ときには自分の意思を主張すること、相手の意思を汲み取れなかったことで衝突することもあるかもしれません。しかし、スポーツはそうした衝突すら新しいコミュニケーションを生み、子どもたちの成長に一役買うことでしょう。
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